読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

re:structure

-landscape photogallery- 日々の写真と言葉も。

魅惑の自習室。

妄言

「自習というのは人の心を傷つけることがなくていい。」

誰の言葉でもない。俺の言葉だ。

 

世の中には人の心を傷つけることが多すぎる。

仕事なんてのはその骨頂で、様々な主体が自分たちの利益を最大化するために行動しているのだから、必ずそこには勝ち負けが存在する。ルーティンと思われがちな事務仕事でさえ調整やら交渉やらで争いが絶えない。結局、純粋に言われたことだけを淡々とこなせばいい仕事なんてなかなか無い。

仕事でなくても、誰かと会話をすればその言葉のトゲが突き刺さることもあるだろう。テレビを見ていると時に不安に駆られることもあるだろう。

そんな中、人の心を傷つけない時間の過ごし方として「自習」というものを提唱したい。

こんなことを言うと変な人かと思われるかもしれないが、自分は自習室という空間が好きだ。最初に断っておくが、勉強は苦手だし好きでもない。ただ、自習という明確な目的を持って設計され、ノイズに満ちた外部から遮断された空間に関心があるのだ。

最初の体験は中学3年生ぐらいの時だったと思う。当時親しかった友人が近所の図書館に自習できる机があることを勧めてくれた。それまで図書館というのはそこで本を読む人が行く場所だと思っていて、わざわざ自分の持ち物を持ち込んで勉強するなどという発想が無かった。その図書館の机は、当然図書館で本を読むことを前提にしたものだったが、実体は近くの中学生や高校生の自習スペースになっていた。

壁に向かって設置されている数十メートルの長机は、人一人分ずつのスペースに個別に蛍光灯が取り付けられていた。僕が中学生の頃はその自習室が大変繁盛していて、休みの日になると朝の8時頃から整理券を配布するほどだった。

高校3年生の時には予備校の自習室という完全に自習に特化した空間に出会った。残念ながら結果的に学習面においては偉そうなことを言えるほどの成果や実績は上がらなかったけど、文系の自分にとって淡々と単語を暗記したり年号やら人名やらを暗記する作業はさして苦にならなかった。

この時、どうやら自分は単調な作業を繰り返すのは苦手ではないということに気がついた。勉強ではなく、単調な「作業」が得意なのだ。

同じ問題集を何回も繰り返し解く。地道でコツコツした「作業」。

何も考えなくていい。怒られることもない。争いもない。仕事と違って威張ったおっさんに怒鳴られることもないし、お姉様方の集団に陰口を叩かれることもない。ただ、心を無にして「作業」をしていればよかった。

大人になってから気がついたが、それはまるで写経のようだったと思う。「無」の境地に達するために、淡々とお経を書き写す。そういえば作業と写経ってなんとなく語感が似ていないだろうか。

それはさておき、アルバイトやら部活動に精を出す生徒に比べると自分は楽な道を選んだと思う。

そして今、楽な道を選んだことの報いを受けている。

会社というのはある意味学校と同じで、目に見えないカーストが存在する。声の大きな人の意見がまかり通る。競争もある。派閥もある。駆け引きもある。裏切りもある。そんな中、他人を傷つけまいと言葉を選べば、当の相手からさえ頼りないと罵られる始末である。

いわゆるリア充優位の社会だ。そもそも自分は戦略という大義名分のもとに他人を陥れることは得意ではない。自己防衛のために空虚な知識を身につける気もしない。

会社員生活においては、間違いなく負け組だ。

でもいい。自分は自分の信念に従って、心穏やかに過ごす道を選んだ。

会社などという小さな世界で勝ち残ることができなくても、悔いはないと思った。

 

さて、話は戻るが自習室である。

ネットでちらほら見ていると、どうやら世の中には自分と同じく周りからのノイズが遮断された空間が欲しい大人たちがいるようである。

そんな大人たちの発明がこれだ。

www.inside-games.jp

いいなー。でも39万8000円は高いよなー。

こっちならどうだ?

www.makuake.com

クラウドファウンディングのプロジェクトで目標金額に達している「i-cave」。一般価格はなんと9800円!今ならまだ8800円コースも残ってる。

さらに防音という点ではこんなのもあるぞ。

www.danbocchi.com

だんぼっち。ネーミングが良いよね。 

欲しいなーと思いつつ、自分の部屋に設置するスペースがないので見送ります。

 

というわけで、自習という作業の魅惑から抜け出せなかった人間の末路を自分が体現しているわけです。いつかは地方に移住して自給自足の生活を送りたいと思っています。でも多分無理です。休みは明日まで。うむ。